光回線は、インターネット接続の主役として普及が進んでいます。
光回線の伝送路には、光ファイバーが使用されています。
ここでは、光回線の高速で安定した伝送を可能にする光ファイバーの特徴をわかりやすく解説します。
また、光ファイバーにはどのようなメリットがあるのか、導入にはどのような工事が必要なのかについてもご紹介します。
光回線各社の口コミや比較はこちらに詳しくまとめました。
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光回線とは?光ファイバーとは?
光ファイバーは、光信号(レーザー光)の伝送路で、石英ガラスやプラスチックでできています。
1本1本のファイバーは非常に細い繊維状ですが、束ねることで大容量の情報を伝送することができます。
この束ねた光ファイバーケーブルは、インターネット接続用途に使用されている。
光ファイバーを使った情報伝達のしくみ
光ファイバー回線でインターネットに接続した場合、どのように情報が伝達されるのかを確認しましょう。
光ファイバーを使った光回線内では、光信号(レーザー光)を使って情報のやり取りが行われています。
一方、インターネット上の動画や音楽、Webサイトなどの情報は、パソコンやスマートフォン端末で認識できるコンテンツと同様、「電気信号」として存在します。
そのため、インターネット上のコンテンツを光回線に接続されている端末で表示する場合、光信号(レーザー光)から電気信号への変換が行われます。
光ファイバー回線を自宅に引く場合、光信号を電気信号に変換するONU(光回線終端装置ともいう)という装置を設置する必要があります。
光ケーブルは電柱の間や地下、海中などに敷設され、世界中で通信を可能にしています。
光ケーブルは、高純度のガラスやプラスチック材料で作られた光ファイバーを束ねた光ファイバーケーブルです。
モバイルルーターとは何が違うのですか?
モバイルルーターは、インターネットに接続するための小型の機器です。
基地局からモバイルルーターへの接続は無線で行われ、モバイルルーターを経由して複数の機器にWi-Fi接続を行うことができます。
工事不要で契約したその日から利用でき、持ち運びができるので、出張やカフェで仕事をすることが多い方に向いています。
ADSL回線との違い
光ファイバーが普及するまでのインターネット接続は、ADSL回線が主流でした。
ADSLは、電気信号で情報を伝達する電話回線を利用するため通信速度が遅く、光信号(レーザー光)で伝達する光回線が最も通信速度が速くなります。
ケーブルテレビとの違い
今でもケーブルテレビの回線を利用している人は一定数います。
ケーブルテレビ回線は、電気信号を伝送する同軸ケーブルと光信号(レーザー光)を伝送する光ファイバーケーブルのハイブリッドの回線です。
そのため、通信性能はADSL回線と光ファイバー回線の中間に位置します。
いずれにしても、光信号を使って情報を伝達できる光回線のほうが、「高速・大容量」の通信を実現します。
光回線のメリット
光回線のメリットについて解説していきます。
伝送速度が速い
光ファイバーによるインターネット網は、光ファイバーケーブルで構成されています。
光ファイバーは、光信号(レーザー光)を用いて情報を伝送するため、長距離での高速通信が可能である。
光ファイバー回線の事業者によって異なるが、一般的な光ファイバー回線の下り速度は1Gbps程度である。
NURO光など一部の回線事業者は、インターネットの下り速度2Gbpsを実現しています。
通信が安定している
光ファイバーには、外部からのノイズの影響を受けにくいというメリットもあります。
電話回線を利用するADSL回線では、自宅が基地局から遠くなればなるほど通信速度が遅くなります。
光ファイバー回線では基地局からの距離に関係なく、高速で安定した通信が可能です。
ストレスのないインターネット環境には欠かせません。
月額固定料金で使い放題
光回線の月額料金は、「完全定額制」の場合がほとんどです。
従量制がなく、月額料金の上限が決まっているため、安心して利用することができます。
また、原則的に通信制限を受けることはありません。
スマートフォンやモバイルルーターには「1日3GBまで」「3日で10GBまで」などの制限があり、これを超えると速度制限の対象となります。
光ファイバー回線を利用するためには開通工事が必要
メリットの多い光ファイバー回線ですが、利用するためには工事が必要というデメリットがあります。
申し込むと工事日程の連絡があり、一般的には1ヶ月近く待たされます。
すぐに利用できないのは、光回線のデメリットと言えるでしょう。
工事内容は、「戸建て」と「マンション」によって違ってきます。
光回線の種類と仕組みを詳しく解説/GPON、EPON、WDM-PON、AON
光回線は、光ファイバーと呼ばれるガラス繊維を使って光を伝送する通信方式です。
光ファイバーは、軽くて細く、電気信号を光に変換して伝送することができます。
光回線にはいくつかの種類があります。主な種類は、GPON、EPON、WDM-PON、AONなどがあります。
それぞれの光回線は、異なる規格や伝送方式を採用しています。これらの光回線は、それぞれの特徴によって用途が異なります。
ビジネス向けの通信には高速なWDM-PONが、家庭向けにはコスト効率の良いGPONがよく使われます。
GPON
GPONは、光分岐器を使って一つの光源を多数のユーザーで共有する方式です。
一つの光源からの光が分岐器を介して多数のユーザーに分配されるため、ユーザー数が多くなっても光源を増やす必要がなく、コスト効率が良いとされています。
EPON
EPONは、Ethernet Passive Optical Networkの略で、光ファイバーを使ってイーサネット通信を行う技術です。
GPONと同じく、光ネットワーク端末 (ONT) を使って家庭や企業にインターネット接続を提供します。
EPONは、Ethernetを用いた光ファイバー通信方式で、パケット通信が可能な方式です。
Ethernetに基づいているため、既存のネットワーク環境に容易に導入できるという特徴があります。
WDM-PON
WDM-PONは、Wavelength Division Multiplexing – Passive Optical Networkの略で、複数の波長の光信号を使って通信を行う技術です。
複数の波長を使うことで、複数のユーザーを同時にサポートできることが特徴で、高速で信頼性の高い通信を提供します。
WDM-PONは、波長分割多重技術を採用した光ファイバー通信方式で、高速通信が可能なため、ビジネス向けの通信環境に適しています。
AON
AONは、Active Optical Networkの略で、光アンプやスイッチなどの機器を使って信号の増幅やルーティングを行う技術です。
距離が長いネットワークで使われることが多く、高速で信頼性の高い通信を提供します。
ネットワークのアーキテクチャがシンプルで、短い距離の伝送に適しています。
家庭向けにはコスト効率の良いGPONについて
GPONは、多くのユーザーが同時に使えることや、通信速度が早いことが特徴です。現在、家庭や企業で使われているインターネット接続の主要な規格の一つとなっています。
GPON (Gigabit-capable Passive Optical Network)は、光ファイバーを利用して高速インターネット接続を提供する通信技術の一種です。
GPONは、光ファイバーを利用した通信において、光の伝送と受信を行うための規格です。
GPONシステムでは、光回線ターミナル(OLT)がISPのサービスを提供し、光ファイバーを介して配信します。
家庭や企業などのユーザー側では、光ネットワーク端末(ONT)が提供され、ONTは光ファイバーを介してインターネットに接続されます。
GPONは、光ファイバーを介してダウンストリーム(ISPからユーザーへの伝送)とアップストリーム(ユーザーからISPへの伝送)の通信を行います。
このシステムでは、光ファイバーを介して送信されたデータは、受信するONTで変換され、エンドユーザーに提供されます。
GPONの特徴は、多くのユーザーを同時にサポートできること、高速な通信速度を提供できること、低コストで展開できることなどがあります。
GPONは、現在、家庭や企業などの光回線インターネットサービスの主要な規格の一つであり、高速で信頼性の高いインターネット接続を提供するために広く使用されています。
そもそも光回線はそういった仕組みでデータを送受信している?
光回線は光ファイバーを使ってデータを送受信する仕組みです。
光ファイバーは、非常に細いガラスやプラスチックでできた長い線状の素材で、その中を光が伝わります。
光ファイバーは、光ファイバーケーブルと呼ばれる束にまとめられ、長距離での通信や高速な通信に使用されます。
光ファイバーを通じてデータを送受信するには、光の強度や波長を変化させて、データを表現します。
送信側では、データを光のパルスとして変換し、光ファイバーに入力します。
光ファイバーの中を伝わる光のパルスは、光ファイバー内部で反射や屈曲を繰り返しながら進み、受信側で光のパルスが検出されると、データが復元されます。
光回線は、高速な通信速度や大容量のデータ伝送が可能で、電波干渉の心配がないため通信品質が安定しています。
そのため、現在では多くの場所で光回線が利用されており、今後もますます普及が進むことが予想されます。
光ファイバーはどのように製造されている?
光ファイバーは、ガラス製のものとプラスチック製のものがありますが、一般的にはガラス製のものが広く使用されています。
光ファイバーの製造工程は大きく分けて以下のような手順で行われます。
材料のシリカガラス
まず、高品質のシリカガラスが原料になります。
シリカガラスは、純度の高い二酸化ケイ素を主成分とするガラスであり、光ファイバーの中を伝わる光の損失を最小限に抑えるために必要です。
研磨や削り出しの工程
シリカガラスの原料を砕いた後、高温で加熱して溶融し、細い棒状のガラス棒を作ります。
このガラス棒を、研磨や削り出しの工程で光ファイバーの芯部分とクラッド部分に分割します。
引き延ばし
芯部分とクラッド部分を組み合わせた光ファイバーのプリフォームを作成した後、高温で加熱して柔らかくし、引き延ばすことで光ファイバーを形成します。
光ファイバーは、非常に細く、直径が数十マイクロメートル以下となります。
被覆
光ファイバー表面に、保護や強度を与えるための被覆材を塗布します。
被覆材は、熱可塑性樹脂やポリマーなどの材料が使用されます。
被覆材を塗布することで、光ファイバーの保護や取り扱いが容易になります。
以上のように、光ファイバーは高温での加熱や引き延ばしの工程が必要であり、高度な技術が必要な製造プロセスであると言えます。
光回線以外にインターネット回線システムは?
光回線以外のインターネット回線のシステムには、以下のようなものがあります。
ADSL
ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line):従来の電話回線を利用して、デジタル信号を送受信する方式です。
アップロードとダウンロードの速度が異なる非対称型の通信方式で、一般的には家庭用のインターネット接続に利用されます。
VDSL
VDSL(Very high-speed Digital Subscriber Line):ADSLよりも高速な通信速度を実現するデジタル通信方式です。
光ファイバーによる光回線よりも高速であり、主にビジネス向けのインターネット接続に利用されます。
ケーブルテレビ回線
ケーブルテレビの同軸ケーブルを利用して、インターネット接続を提供する方式です。
光回線やDSLに比べて速度が低い場合もありますが、テレビと一緒にインターネットを利用できるのが特徴です。
モバイル回線
モバイルWi-Fi、WiMAX、携帯電話やスマートフォンを利用して、インターネットに接続する方式です。
4Gや5Gなどの高速な通信方式が利用され、モバイルネットワークの普及により、インターネットをいつでもどこでも利用できるようになりました。
これらの回線システムは、それぞれ特徴や利用シーンが異なります。ユーザーのニーズや用途に応じて、最適な回線システムを選択することが重要です。
光回線とは わかりやすく仕組みやメリットを解説・まとめ
光ファイバーとは、「光」の信号を伝達する「繊維」(ファイバー)のことです。
光ファイバーを束ねて光ファイバーケーブル(光ケーブル)を作り、このケーブルを使ったインターネット回線が光ファイバー回線です。
通信伝送媒体としての光ファイバーのメリットは大きく、光ファイバー回線の普及率は年々高まっています。