こんにちは、The Contactの編集部です。
2月20日の施政方針演説から始まった今国会。
高市首相は「日本列島を強く、豊かに」「成長のスイッチを押し続ける」と力強い言葉を並べ、テレビやネットのニュースもその勢いを報じています。
しかし、その華々しい演説の裏側で、私たちの生活の基盤を揺るがしかねない「ルール変更」が静かに、しかし着実に議論されているのをご存知でしょうか?
「政治の話は難しくて……」と敬遠されがちですが、これらはすべて「あなたの財布」や「家族の安心」に直結する話です。
今回は、最新の国会情勢から特に重要な3つのトピックを厳選し、その「光と影」を詳しく読み解いていきます。
本日の注目トピック(3選)
1. 【社会保障】「ステルス負担増」の波:医療費の自己負担が跳ね上がる?
誰が・何について: 高市首相は演説で「全世代型社会保障」の構築を掲げましたが、具体的な中身を紐解くと、そこには国民への「痛み」の押しつけが見え隠れしています。
野党側は、予算案の中に忍び込まされた「医療費の負担増」を厳しく追及しています。
[ポイント]:
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高額療養費制度の「天井」引き上げ: がん治療や透析など、高額な治療費がかかった際に支払いを一定額に抑えてくれる「高額療養費制度」。この自己負担上限額が引き上げられようとしています。
所得によっては、これまでより最大38%も負担が増える計算になります。これは、病気という最も不安な時に、経済的な追い打ちをかけることになりかねません。 -
「身近な薬」が保険外に?: 花粉症の薬や湿布、ビタミン剤など、市販薬に近い成分の薬(OTC類似薬)を保険の対象から外す、あるいは窓口での負担率を上げることが検討されています。「いつも使っている薬」の代金が、気づかないうちに倍以上になる可能性があるのです。
2. 【治安・監視】「国家情報局」新設と「スパイ防止法」への懸念
誰が・何について: 政府は、情報機関を統括する「国家情報局」の設置に向けた法案提出を急いでいます。高市首相は「経済安全保障と国益を守るために不可欠」と強調しますが、これに対して2月22日、有楽町では「国民の監視につながる」として、市民連合や野党による大規模な抗議活動が行われました。
[ポイント]:
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「何がスパイか」の線引きが曖昧: 「スパイ防止法」のような法案がセットで検討されていますが、問題はその定義です。政府にとって不都合な情報を調べているジャーナリストや、政策に反対する市民団体の活動が「国家機密の漏洩に関わる」と判断されるリスクがあります。
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「治安維持法」の再来か: 抗議に参加した人々からは、戦前の治安維持法のように、政府の意に沿わない人々を監視・排除する道具として使われることへの強い危機感が示されています。「国を守る」ための仕組みが、いつの間にか「市民を縛る」仕組みに変わる危険性はないでしょうか。
3. 【税金】公約だった「食料品消費税ゼロ」はどこへ消えた?
誰が・何について: 昨年の総裁選や選挙期間中、高市氏は「食料品の消費税を2年間ゼロにする」という大胆な案を掲げて支持を集めました。しかし、いざ国会が始まると、この政策に対する政府の足並みの乱れが露呈しています。
[ポイント]:
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「検討」という言葉の逃げ水: 国会答弁で「いつ、どうやってやるのか」を問われた首相や閣僚は、「物流や現場の混乱を考慮する必要がある」「財源の議論が先」などと、実施を先送りにするような発言を繰り返しています。
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成長優先か、生活支援か: 防衛費の増額や先端技術への投資には数兆円規模の予算を惜しまない一方で、生活者の痛みを即座に和らげる「減税」については極めて慎重な姿勢。「選挙が終われば公約は棚上げなのか」という国民の不信感が高まっています。
ここが問題!市民の視点
今回の国会論戦を通じて浮かび上がってきたのは、「国家の強化」と「個人の保護」のアンバランスさです。
首相の掲げる「成長のスイッチ」は、AI、半導体、そして防衛産業といった巨大な産業に向けられています。もちろん、経済を成長させることは重要です。
しかし、その成長を支えるためのコスト(財源)が、社会保障の削減や「ステルス負担増」という形で、国民の暮らしに転嫁されているのが現状です。
専門家からは、「強い経済、強い軍事」を目指すあまり、私たちの生活のセーフティーネットが「コスト」として削られているとの指摘があります。
特に、医療費の自己負担上限の引き上げは、病気になった瞬間に中流階級から困窮層へと転落するリスクを高めます。
また、国家情報局の新設は「情報の守り」を固める一方で、情報の透明性を奪うことにもつながります。
「何が議論され、何が決まっているのか」を市民が監視できなくなれば、民主主義そのものが危うくなるという警告に、私たちは耳を傾けるべきです。
まとめと今後の注目点
今、国会で起きていることは、単なる数字のやり取りではありません。
「私たちはどんな国で、どんなふうに暮らしたいのか」という、社会の根幹に関わる選択が進められています。
「強い国」になるために、私たちはどこまで個人の生活や自由を譲歩できるのでしょうか。
それとも、まずは「一人ひとりの暮らしの安心」こそが、本当の強さの源だと考えるべきでしょうか。
今後の注目スケジュール:
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衆議院予算委員会(3月上旬): 2026年度予算案の採決に向けた最終攻防が始まります。特に「医療費38%増」の根拠について、納得のいく説明がなされるか注目です。
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地方公聴会: 予算案について、地方の現場の声を聞く場が設けられます。物価高に苦しむ人々の実感がどこまで国会に届くかが鍵となります。
The Contactでは、これからも政治の「言葉」に踊らされることなく、その裏側にある「私たちの実感」を大切に報じていきます。
